螺旋階段を一歩ずつ

研究のタネから趣味のネタまで

MacにThe Generic Mapping Toolsをインストールして地図を描く

この前の記事 で用いた gmt のMacへのインストール方法を紹介します。そして、ちょっとした地図を描いてみます。

The Generic Mapping Tools (GMT)とは

  • オープンソースの地図およびグラフの作成ツール(コマンド群)

    リポジトリはここ

  • x-yプロットからコンター地図や3Dプロットまで作成できて、出力はPostScript .ps
    $ gmt ps2raster ...
    

    を使えば .png .pdf .tiff などに変換できる上に、透過pngもつくれる

  • 現在のバージョンはGMT 5でGMT 4も存在する

    GMT 4のメンテナンスは、将来のGMT 6のリリースまで続けられるらしい

  • GMT 5のAPIはC/C++のほかに、Fortran, Matlab/Octaveがある(Projects

    PythonのAPIはリリース予定

GMTのインストール

MacPortsやfink, Homebrewによるインストールが可能ですが、分かりやすい .app でのインストールをやってみます。

ダウンロード先

Download - GMT - GMT — The Generic Mapping Tools

他のインストール方法についてはこちら

gmt install by hironow365, on Flickr

gmt-5.x.x-darwin-x86_64.dmg をダウンロード・解凍したあとは GMT-5.x.x.app をApplicationsディレクトリへコピーするだけです。

GMT-5.x.x.app を起動してみると

gmt click by hironow365, on Flickr

ターミナルが立ち上がり、自動でコマンドが実行されます(ログインシェルがzshの環境でテストしています)。

/bin/bash "/Applications/GMT-5.1.1.app/Contents/MacOS/GMT-5.1.1" GMT_PROMPT
$ /bin/bash "/Applications/GMT-5.1.1.app/Contents/MacOS/GMT-5.1.1" GMT_PROMPT
/Users/...ユーザの名前...

    GMT - The Generic Mapping Tools, Version 5.1.1 (r12972) [64-bit]

あとは、このシェル環境内でGMTコマンドを実行すれば地図やグラフが作成できます。

$ gmt --version
5.1.1

PATHを通す

しかし、毎回 GMT-5.x.x.app を起動するのは面倒なのでログインシェルにPATHを通します。先ほど表示された

/Applications/GMT-5.1.1.app/Contents/MacOS/GMT-5.1.1

からディレクトリを変更して .bash_profile.zprofile へPATHを登録します。

.../Contents/Resources/bin

gmt へのPATHが通ったかを確認します。

$ gmt
bash: gmt: command not found
$ source .bash_profile # or $ source .zprofile
$ gmt --version
5.1.1

地図を描いてみる

インストールだけだと少し寂しいので、ちょっとした地図を作ります。使うコマンドの説明を少しだけ

gmt pscoast ...

地図を描くコマンド

オプション
-JG135/40/16:
地図の投影法
  • 正射図法(G) 正射図法 - Wikipedia
  • 中心の位置(135/40, 経度/緯度)
  • 地図の横幅(/16, 単位のデフォルトはcm)
-Bg45:
地図の枠線
  • 45度ずつの経緯度格子線(g45)
-Rg:
地図の範囲
  • 全域(g)
-Ggrey:
陸地の塗りつぶし
  • 色(grey)
-P:

用紙を縦置きへ設定

$ gmt pscoast -JG135/40/16 -Bg45 -Rg -Ggrey -P > gmt_map.ps

.psプレビュー.appで開くと .pdf に変換してくれます。これを .png として書き出します(オリジナルサイズ)。

gmt_map by hironow365, on Flickr

A4で縦置きなので、上に余白ができてしまいますね...